ようやく、待ちに待ったコンジュゲートワクチンが発売されることになりました。
従来のチフスワクチンは、約3年ごとに接種しなければいけませんでしたが、
コンジュゲートワクチンは、2~3回の接種で、長期間の免疫が期待されます。
WHOの認可もすでに通っており、発売され次第、当院でも順次切り替えていきます。
詳しくは こちら
腸チフスワクチンには注射で接種する不活化ワクチンと口から飲む(経口)生菌ワクチンの2種類があります。
当院で行える注射ワクチンは1回接種すると3年間有効です。
日本では腸チフスワクチンの製造は中止されているため、輸入ワクチンが使用されます。
ワクチンの安全性は高く、重度の副反応が出ることは極めて稀ですが、輸入ワクチンは国の健康被害保証制度の適用外になります。
予防接種をご希望の方は、こちらからご予約ください。
ヒトの糞便や尿などで汚染された食物や水を摂取することで感染します。調理・食事時に手指をきれいに洗ったり、加熱調理したりすることは予防に有効です。
腸チフスはサルモネラ菌の一種であるチフス菌によって起こる感染症です。発熱を伴う症状が急に始まり、症状は急速に悪化します。感染すると1~3週間の潜伏期間の後、39~40℃の高熱が出ます。熱は午前中に下がり、夕方から夜に掛けて上昇する傾向があります。高熱が出ても脈拍は上がりません。皮膚に小形で紅色の発疹が多く出たり、脾臓が腫れたりするのも特徴です。ほぼ全患者に、頭痛や倦怠感、食欲不振などの症状があります。血液検査では、白血球の減少や、GOT・GPT値の上昇がみられます。
腸チフスの発生が多いのは、南アジアや東南アジア、東アジア、アフリカ、カリブ海諸島、中南米などです。これらの地域での滞在が長くなるほど、腸チフスの感染リスクも増加します。ただし、1週間未満の短期間旅行者にも腸チフス感染はみられます。世界では1年間に約2,200万人が腸チフスを発症し、その内20万人が死亡しています。